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創業96年のKPCグループ【㈱いばらき塗装テック】の今泉です。

リシン吹付模様の外壁材の塗り替えに関しては、独特の表面形状と性質を考慮した施工が必要です。リシン吹付外壁は、細かい粒状の仕上げが特徴で、多くの住宅や建物で広く使用されています。塗り替えの際に注意すべきポイントやオススメの施工方法をいくつかご紹介します。

1. リシン外壁の特徴と劣化症状の確認

リシンは防水性が高く、通気性も良い素材ですが、経年により劣化が進行します。劣化症状には以下のものがあります。

  • 色あせやチョーキング(白い粉が表面に出る現象):紫外線や風雨により塗料が劣化します。
  • ひび割れ:下地のひび割れがリシン層に反映されることがあります。
  • 剥がれ:外壁材との密着力が低下し、塗膜が剥がれたり浮いたりすることがあります。

これらの劣化症状を見逃さないため、定期的な点検が必要です。特に、リシン外壁は粒状のため、表面の細かい傷や劣化が目立ちにくい場合があるので、細かくチェックすることが重要です。

2. 下地処理の重要性

塗り替え前に最も重要なのが下地処理です。リシン吹付の外壁は凹凸があり、汚れやカビが溜まりやすいため、塗り替え前に以下の処理が推奨されます。

  • 高圧洗浄:汚れやカビをしっかりと洗い流します。特にチョーキングが発生している場合は、塗膜が粉状になっているため、十分に洗い流すことが重要です。
  • クラック補修:リシン外壁はひび割れが目立ちにくいですが、ひび割れがあれば補修材を使って事前に埋めておく必要があります。シーリング材でひびを塞いだり、ひどい箇所ではモルタル補修が必要です。
  • 下地調整剤の使用:凹凸が激しい場合、調整剤やプライマーで下地を整えることが塗膜の定着を高めます。

3. 塗料の選定

リシン吹付外壁には、塗料の選定が特に重要です。選ぶ塗料によって耐久性や美観が大きく変わるため、以下のポイントに注意します。

  • 弾性塗料:ひび割れが起こりやすいリシン外壁には、弾力性のある塗料が最適です。これにより、外壁の膨張・収縮に対応し、クラックを防ぎます。
  • 防水性・透湿性:リシン自体が通気性に優れているため、防水性を維持しつつ、透湿性のある塗料を選ぶことで、壁内部の湿気を排出しやすくなります。
  • フッ素系塗料やシリコン系塗料:耐久性を重視する場合、耐候性や防汚性に優れたフッ素系やシリコン系の塗料がオススメです。長期間にわたって外壁の美観を保つことができます。

4. 施工方法

リシンの凹凸に塗料を均等に塗布するためには、施工方法が大切です。

  • ローラー塗り:リシンの表面は凸凹しているため、通常のローラーではなく「砂骨ローラー」などを使用するのが一般的です。これにより、塗料がしっかりと凹凸部分に入り込むことができます。
  • 吹付塗装:大規模な外壁や、特に仕上がりの均一性を重視する場合、吹付塗装も効果的です。吹付けることで塗料が均等に広がり、ムラのない仕上がりが期待できます。ただし、周辺への飛散に注意が必要です。
  • 塗り重ね回数:リシン外壁は通常の外壁よりも塗膜が薄くなりがちなので、1回の塗装では不十分なことがあります。2回以上の塗り重ねを行うことで、均一な塗膜を作り耐久性を高めることが重要です。

5. 注意点

  • 養生作業の徹底:リシン外壁の凹凸により、塗料が飛散しやすいため、窓や周辺部分をしっかりと養生することが必要です。
  • 適切な天候の選定:雨の日や湿度の高い日は避け、乾燥した天候で施工を行うのが理想です。湿気が多いと、塗料が乾きにくく、仕上がりに影響を与える可能性があります。

6. おすすめの塗り替えタイミング

リシン吹付の外壁は、10年~15年程度で塗り替えが推奨されます。特にチョーキングや色あせが目立ってきた場合、放置すると劣化が進み、外壁自体の防水性が失われる可能性があります。

まとめ

リシン吹付模様の外壁材を塗り替える際には、劣化状況をしっかりと確認し、適切な下地処理と塗料選定を行うことが重要です。また、施工方法にも工夫が必要で、特に凹凸のある表面に対しては塗料の密着性を高めるために丁寧な施工が求められます。

高耐久な塗料を選び、適切なタイミングでメンテナンスを行えば、美観を保ちながら建物を長持ちさせることができます。

ブログ執筆者

今泉勝彦の写真

株式会社いばらき塗装テック 店長代理

今泉勝彦

一級建築塗装技能士|一級鋼橋塗装技能士

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