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外壁塗装で注目の「ラジカル制御型塗料」とは?仕組み・他塗料との違い・選ぶメリットまで徹底解説!
2025.06.12
塗料選び
外壁塗装
水戸市、ひたちなか市、日立市にお住まいの皆様、こんにちは。
2024年秋に日立市大みか、水戸市東野町にOPENしました、創業97年のKPCグループ【㈱いばらき塗装テック】の高橋です。
本日もブログをご覧いただきありがとうございます(^^♪

目次
- ラジカル制御型塗料とは?
1-1. そもそも「ラジカル」って何?
1-2. ラジカルを発生させる「酸化チタン」とは?
1-3. 「ラジカル制御」とはこんな仕組み! - 他の塗料との違いは?
2-1. アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素…塗料の「○○」は樹脂のこと
2-2. ラジカル制御型は「樹脂」なのか? - ラジカル制御型塗料を選ぶメリットと注意点
3-1. メリット
3-2. 注意点
3-3. ラジカル制御の有無で金額は変わる? - まとめ
1. ラジカル制御型塗料とは?
近年、外壁塗装の現場で「ラジカル制御型塗料」というものがよく登場するようになりました。ラジカル制御は塗料の耐久性向上に関わる技術で、様々な塗料メーカーから商品が出ていますし工事を行う塗装会社もラジカル制御型塗料を採用しているところが増えてきています。現在、外壁塗装の見積もりをとっている方の中にも「ラジカル制御型塗料をすすめられた」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ですが、名前を聞いただけでは「なんとなく良いんだろうなあ」くらいで、塗料の性能や他の塗料との違いは分かりにくいですよね。ここではまず「ラジカルとは何か?」から解説していきます。
1-1. そもそも「ラジカル」って何?
ラジカルとは塗膜を劣化させる化学物質(不安定な原子)のこと。塗料に含まれる「酸化チタン」に紫外線が当たることで発生し、塗膜の分解やチョーキング(白い粉が出る現象)を引き起こします。
つまり、塗料が太陽の光にさらされている限りラジカルは常に発生しているというわけです。
1-2. ラジカルを発生させる「酸化チタン」とは?
酸化チタンは塗料に欠かせない「白色顔料」であり、美しい仕上がりを作るために多くの塗料に使用されています。しかしこの酸化チタンは紫外線を受けるとラジカルを発生させる性質があります。
この「美しさを保つために必要だが、劣化の原因にもなる」というジレンマを解消するのが、ラジカル制御の技術です。
1-3. 「ラジカル制御」とはこんな仕組み!
ラジカル制御型塗料は発生したラジカルを抑える、または無害化するための成分や構造を塗料に組み込んでいます。代表的な制御方法は以下の通りです。
- HALS(光安定剤)による捕獲:
アステックペイントの「リファインシリーズ」などが該当。HALSが発生したラジカルを捕まえ、劣化を抑えます。 - 多重構造によるラジカル封じ込め:
関西ペイント「アレスダイナミックMUKI」などでは、ラジカルを発生させない無機バリア層を設けることで、そもそもラジカルを発生させにくい構造に。 - ラジカルの反応を鈍化させる顔料の使用:
エスケー化研「エスケープレミアム無機」では、酸化チタンの表面に特殊コーティングを施し、紫外線の影響を抑えています。

これらの技術により、通常の塗料よりも耐用年数が長く劣化しにくい塗料として注目されているのが「ラジカル制御型塗料」なのです。
2. 他の塗料との違いは?
2-1. アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素…「○○塗料」の“○○”は「樹脂」のこと
外壁塗装でよく使われる「シリコン塗料」「フッ素塗料」などの名称は、実は塗料に含まれる「樹脂」の種類を表しています。
樹脂の種類 | 特徴 | 耐用年数(目安) |
---|---|---|
アクリル | 安価・短寿命 | 5〜7年 |
ウレタン | 柔軟性がある | 7〜10年 |
シリコン | 現在の主流 | 10〜13年 |
フッ素 | 高耐候・高価格 | 15〜20年 |
つまり、これらは塗料のベース部分の種類であり、「どんな性能を持っているか」の土台となる要素です。
2-2. ラジカル制御型は「樹脂」なのか?
答えはNoです。
ラジカル制御型塗料というのは、「樹脂の種類」ではなく、「付加された機能」を指しています。つまり、
シリコン塗料 + ラジカル制御
フッ素塗料 + ラジカル制御
というように、既存の樹脂系塗料に、耐候性を高める“追加機能”として搭載されているのがラジカル制御型です。
したがって、「ラジカル塗料=特殊な種類の塗料」と思われがちですが、あくまで機能の一部と理解するのが正解です。
【おまけ】
ちなみにですが、上の表に「あれ?無機塗料が無いよ」と思った方はいらっしゃいますか?
無機塗料もラジカル制御型塗料と同じように
シリコン塗料+無機成分、フッ素塗料+無機成分
というように既存の樹脂系塗料に成分を追加して作られています。
3. ラジカル制御型塗料を選ぶメリットと注意点
3-1. メリット
- 耐候性が高く、塗り替えサイクルが長くなる
- チョーキングが起きにくく、美観を長く保てる
特に紫外線の強い地域や、海沿いなどの厳しい環境では、このラジカル制御機能が大きな効果を発揮します。
3-2. 注意点
- 「ラジカル制御」と表記されていなくても、同様の機能を持っている塗料もある
一部のシリコン塗料や無機塗料などはラジカル制御成分を配合していることがあります。外壁塗装の見積もりをとると塗料のパンフレットも一緒にもらえる場合が多いので、その際に「どんな機能があるのかな?」とパンフレットをめくってみてください。 - 「ラジカル制御=絶対に劣化しない」わけではない
あくまで“劣化を遅らせる”技術であり、完全にラジカルの影響を防げるわけではありません。 - メーカーごとに制御技術が異なるため、性能に差が出る
単に「ラジカル制御型」と書かれていても、詳細な仕組みや効果の違いを確認することが重要です。
3-3. ラジカル制御の有無で金額は変わる?
一般的に、ラジカル制御型塗料はシリコンよりやや高価、フッ素より安価な価格帯となっています。耐久性を考えれば、コストパフォーマンスは高め。
ただし、あくまで機能の一部なので、樹脂の種類や塗装面積、施工条件によって価格は大きく変動します。最終的な見積もりで比較することが大切です。
4. まとめ
ラジカル制御型塗料は、塗膜の劣化を引き起こす「ラジカル」を抑えることで、美観と耐久性を長持ちさせる最新技術を搭載した塗料です。
ポイントをまとめると、
- 「ラジカル制御」は樹脂ではなく機能である
- シリコンやフッ素など、既存の塗料に付加される技術
- 性能や価格はメーカーや商品によって大きく異なる
- 「表記がない=機能がない」ではない場合もあるため要注意!
外壁塗装を検討中の方は、単に「シリコンかフッ素か」だけでなく、「ラジカル制御機能の有無」にも注目してみてください。長く美しく家を守るための、賢い選択肢になるかもしれません。
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創業97年のKPCグループ(郡山塗装グループ)の㈱いばらき塗装テック|プロタイムズ水戸中央店|プロタイムズ日立店(大みかショールーム)は、茨城県内全域で地域密着の外壁工事、塗装工事、各所補修、屋上防水、内装リフォームなどお家リフォームにかかわることは全て対応しております。もしご相談やお困りごとなどございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
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ブログ執筆者
株式会社いばらき塗装テック 営業アシスタント
高橋梨佳子
二級建築施工管理技士|二級土木施工管理技士(補)|外装劣化診断士|カラーコーディネーター