スタッフブログ

    

水戸市、茨城郡、日立市、東海村、ひたちなか市、那珂市、笠間市にお住まいの皆様、こんにちは。

2024年秋に水戸市東野町・日立市大みか町にOPENしました。

創業96年のKPCグループ【㈱いばらき塗装テック】の長沢です。

  

   

はじめに

アルミ素材が塗装しにくい理由とその対策

アルミニウム(以下アルミ)は、その軽量性や耐食性、加工性の良さから、様々な用途で利用されている金属素材です。しかし、アルミの塗装には独特の課題があり、そのまま塗料を塗布しても剥がれやすいといった問題が生じます。本記事では、アルミ素材が塗装しにくい理由を詳しく解説し、その対策についてもご紹介します。


1.アルミが塗装しにくい理由

  1. 表面に酸化皮膜が形成される
    アルミは大気中で酸素と反応しやすく、自然に酸化アルミニウム(Al₂O₃)の薄い皮膜が形成されます。この酸化皮膜は非常に安定しており、アルミが錆びにくい理由の一つです。しかし、塗装の観点では、この皮膜が塗料の密着を妨げる要因となります。
  2. 化学的な非活性性
    酸化皮膜は化学的に安定しており、塗料との化学的な結合が難しい性質を持っています。そのため、塗装後に塗料が剥がれやすいという問題が生じます。
  3. 表面の滑らかさ
    アルミ素材の表面は非常に滑らかで、物理的な密着性が低いのも問題です。このような滑らかな表面に塗料を塗布すると、塗料がしっかりと付着せず、塗膜が薄くなりやすいです。
  4. 熱膨張率の違い
    アルミは熱膨張率が高く、温度変化により素材が膨張・収縮を繰り返します。塗料との熱膨張率の違いが、塗膜のひび割れや剥離の原因となることがあります。

2.アルミ素材を塗装するための対策

アルミの塗装を成功させるには、いくつかの下処理や特別な塗料の選定が必要です。以下に、具体的な方法を説明します。

  1. 酸化皮膜の除去(エッチング処理)
    酸化皮膜を除去するために、化学的なエッチング処理やサンドブラストなどの機械的処理を行います。これにより、酸化皮膜を取り除き、塗料の密着性を高めます。
  2. プライマーの使用
    アルミ用のプライマー(下地材)は、酸化皮膜や滑らかな表面でも塗料をしっかりと密着させる役割を果たします。エポキシ系や酸硬化型のプライマーが特に有効です。
  3. アルマイト処理(陽極酸化処理)
    陽極酸化処理を施すことで、アルミ表面に均一な酸化皮膜を形成し、この皮膜に適した塗料を塗布することで、より高い耐久性と密着性を実現できます。
  4. 塗料の選定
    アルミ素材には、一般的な塗料ではなく、専用のアルミ塗料を使用する必要があります。これらの塗料はアルミの特性を考慮して設計されており、耐久性や密着性に優れています。
  5. 塗装環境の整備
    湿気や汚れがある環境では塗装がうまくいかないことがあります。塗装作業を行う際は、清潔で乾燥した環境を整えることも重要です。

3.塗装しやすいアルミ加工の選択肢

アルミ製品の中には、最初から塗装がしやすいように加工されたものも存在します。例えば、表面をザラザラにするショットブラスト加工や、あらかじめプライマー塗布を施したアルミ材などがあります。用途に応じて、こうした加工済みのアルミ素材を選ぶことで、塗装工程を簡略化できます。


まとめ

アルミ素材は軽量で耐食性に優れた金属ですが、そのまま塗装を行うと剥がれやすいという課題があります。その理由は、酸化皮膜の存在、化学的非活性性、表面の滑らかさ、熱膨張率の違いなどです。しかし、適切な下処理や専用の塗料を使用することで、これらの問題を克服し、耐久性の高い塗装を実現できます。

アルミ製品を長く美しい状態で使用するためには、塗装のプロセスを正しく理解し、適切な方法を選ぶことが重要です。ご不明な点や塗装に関するご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

   

最後までご覧いただきありがとうございました。

それでは次回のブログでお会いしましょう!!

    

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